先進医療とは、厚生労働大臣から承認を受けた、大学病院などの限られた医療機関でのみ行われる一般の診療で認められている医療の水準を超えた最新の医療行為のことをいいます。
ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)
適応症
豚脂様角膜後面沈着物若しくは眼圧上昇の症状を有する片眼性の前眼部疾患(ヘルペス性角膜内皮炎又はヘルペス性虹彩炎が疑われるものに限る。)又は網膜に壊死病巣を有する眼底疾患(急性網膜壊死、サイトメガロウイルス網膜炎又は進行性網膜外層壊死が疑われるものに限る。)
概要
ヘルペス性角膜内皮炎、ヘルペス性虹彩炎が疑われる片眼性の前眼部疾患。急性網膜壊死、サイトメガロウイルス網膜炎、進行性網膜外層壊死が疑われる網膜壊死病巣を有する眼底病変は、ヒトヘルペスウイルスが病因と疑われる。このような症例の前房水を前房穿刺、あるいは硝子体液を手術時に採取して、これらの眼内液からDNAを抽出し、 本診断法によりHSV-1,HSV-2,VZV,EBV,CMV,HHV-6,HHV-7,HHV-8のDNAの同定と定量をおこなう。この診断に基づいて適正な抗ウイルス治療をおこなう。
細菌又は真菌に起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)
適応症
前房蓄膿、前房フィブリン、硝子体混濁又は網膜病変を有する眼内炎
概要
内眼手術直後からの眼痛、前房蓄膿、硝子体混濁を呈する外因性眼内炎、体内に感染巣があり眼痛、前房蓄膿、硝子体混濁を呈する内因性眼内炎では早急に細菌感染を疑い検査する必要がある。このような症例の前房水を前房穿刺、あるいは硝子体液を手術時に採取して、これらの眼内液からDNAを抽出し、本診断により細菌16SrDNAの定量をおこなう。この診断に基づいて適正な抗生剤投与、硝子体手術をおこなう。
また、経中心静脈高栄養法や各種カテーテルの留置に伴った真菌血症が全身的にあり、網膜後局部に網膜滲出斑、硝子体混濁、牽引性網膜剥離、前眼部炎症を呈する眼内炎では早急に真菌感染を疑い診断を付ける必要がある。このような症例の前房水を前房穿刺、あるいは硝子体液を手術時に採取して、これらの眼内液からDNAを抽出し、本診断により真菌28SrDNAの定量をおこなう。この診断に基づいて適正な抗生剤投与、硝子体手術をおこなう。
プローブ型共焦点レーザー顕微内視鏡による胃上皮性病変の診断
適応症
胃上皮性病変
概要
本試験は、先進医療Bの制度下で多施設共同前向き臨床試験にて胃上皮性病変に対するpCLEの診断能を評価し、pCLEの有用性とフルオレセイン静脈投与の適応拡大につながるエビデンスを構築することを目的とする。本試験の適応は、上部消化管内視鏡検査にて組織学的に早期胃癌と診断または疑われる(生検にてGroup4または5)、または、早期胃癌に対して内視鏡治療後(EMRまたはESD)後、40週以上経過している、のいずれかを満たす患者である。
テモゾロミド用量強化療法
適応症
膠芽腫(初発時の初期治療後に再発又は増悪したものに限る。)
概要
- 初回再発および増悪膠芽腫に対して、用量強化テモゾロミド療法とその再発後のベバシズマブ療法の優越性を標準治療であるベバシズマブ療法とのランダム化比較試験にて検証する。
- テモゾロミドとして1回120 mg/m2(体表面積)を1日1回連日7日間、経口投与し、7日間休薬する。この14日を1コースとし、最大48コース繰り返す。3コース目に増量規準を満たした場合は1回150 mg/m2に増量する。なお、テモゾロミドの投与は外来(通院)で行う。
※症例登録は終了しております。
子宮内膜受容能検査1
適応症
不妊症(卵管性不妊、男性不妊、機能性不妊又は一般不妊治療が無効であるものであって、これまで反復して着床又は妊娠に至っていない患者に係るものに限る)
概要
次世代シークエンサーにて子宮内膜組織に発現する236種類の遺伝子を網羅的に解析し、子宮内膜組織が胚(細胞分裂をした受精卵)の着床が可能な受容期にあるか否かを調べる検査法であり、遺伝子の発現状況から受容期でないと判断された場合、受容期の遺伝子の発現状態との比較により、適切な胚移植の時期を導き出す。
検査結果から、胚が子宮内膜に着床しやすい受容期に胚を子宮に戻す(胚移植)ことで、着床率や妊娠率が改善することが期待される。
子宮内細菌叢検査1
適応症
慢性子宮内膜炎が疑われるもの
概要
子宮内の細菌叢を次世代シークエンサーで子宮内が妊娠に適した状態かどうか、網羅的に調べる検査方法である。慢性子宮内膜炎の有無やリスク、炎症の原因となる細菌の有無、子宮内に存在する細菌のバランスや量などを明らかにすることができ、その後の不妊治療の方針を決定することが可能となる。また、慢性子宮内膜炎の存在や細菌叢の異常が分かった場合に、抗生剤による治療や生活指導などを検討することができる。
子宮内が妊娠に適正な環境であるかどうかを調べることで、必要な対策を講じてから妊娠に向かうことで、着床率や妊娠継続率の向上と流産率の低下が期待される。
膜構造を用いた生理学的精子選択術
適応症
不妊症(卵管性不妊、男性不妊、機能性不妊又は一般不妊治療が無効であるものに限る)
概要
特殊な膜構造をもつ装置を使って、精液から運動率の高い機能的な精子を選別する技術である。遠心分離を行わず選別することで、精子の物理的損傷や運動率が低下することなく、選別が可能となる。選別された良好な精子を用いることで、顕微授精を行った受精卵の培養成績が向上し、着床率・妊娠率が上昇、結果流産率が低下することが期待される。