炎症性腸疾患(IBD)センター開設

炎症性腸疾患(Inflammatory bowel disease:IBD) は「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」に代表される慢性腸炎を来す疾患の総称です。IBD は下痢や腹痛など胃腸の症状のみならず口内炎、関節痛、皮膚障害など全身に影響を及ぼします。長期的には病状が悪い時期( 再燃期) と落ち着いている時期(寛解期) を繰り返すのが特徴です。愛知県内では、1 万人以上の患者数と
なっており、今後もこの増加が予想されています。藤田医科大学病院ではこれまでもこの難病に立ち向かい多くの患者さんの診断と治療を行ってきましたが、新たに消化器内科、総合消化器外科、小児科、小児外科、救急総合内科の医師が連携し、炎症性腸疾患(IBD)センターを2023年4月に開設しました。多くの診療科、看護師、管理栄養士、薬剤師等の多職種と連携し患者さんに合った安心・安全で高度な医療を提供します。また腸内細菌叢などを用いた当院オリジナルの研究を基に新規の治療開発にも挑戦しています。腸内細菌並びにプレバイオティクス・プロバイオティクスなどを治療に取り入れるための研究を実施しております。近い将来、腸内細菌検査とプレ・プロバイオティクスを組み合わせた新たな治療方法が導入される可能性があります。