ドクターヘリ

ドクターヘリ写真

ドクターヘリとは、一刻を争う重症者が発生した際などに、訓練を受けた医師や看護師等が乗り込み、現場に駆けつけて治療を行う救急医療設備を備えた専用のヘリコプターのことをいいます。
心筋梗塞、脳卒中、交通事故による大ケガなどは、発生からいかに短い時間で適切な初期治療を開始できるかが、生死や後遺症の有無を分けます。道路状況や山間部・離島などの地形特性に関わらず運航できるドクターヘリは、治療開始時間の短縮、救命率向上、予後の改善が期待されています。

愛知県内の救急医療体制の強化に向け、
2024年2月にドクターヘリ導入

特定機能病院・高度救命救急センター・基幹災害拠点病院に指定されている藤田医科大学病院は、愛知県2機目のドクターヘリを2024年2月に配備。ドクターカー、ECMOカーとの併用で高度な救急医療を実現しています。

当院に配備されているドクターヘリは、航続距離700キロ以上と長く、県内や隣県のみならず災害時には紀伊半島や能登半島の先端まで、広域の救命活動が可能です。2024年1月に発生した能登半島地震でも正式運用前ながら、県営名古屋空港と被災地を往復し、医療支援に取り組みました。

一人でも多くの命を救うために

愛知県内のドクターヘリの配備は、当院で2機目となります。各機体の特徴を活かし2機体制で県内全域をカバーし、ドクターヘリ不応需件数ゼロ(2021年度53件、2022年度49件)の実現、さらには南海トラフ地震をはじめとする大規模災害時の救命医療体制の構築に貢献することをめざします。

ドクターヘリ出動まで

一般の方が直接ドクターヘリを要請することはできません。
急病人発生の通報を受けた市町村消防本部通信指令室が、急病人の状態や発生場所、現場での医師の早期治療開始の必要性、陸上での搬送では間に合わないと判断した場合に、ドクターヘリの出動要請をします。要請は藤田医科大学病院ドクターヘリ運航管理室に入り、直ちにドクターヘリチームが出動。患者さんを乗せた救急車と当院ドクターヘリがヘリポートや臨時着陸場で合流。医師が速やかに治療を開始し、当院や近隣の救急医療機関へ搬送します。

ドクターヘリは、通報時に市町村の消防本部が必要と判断した場合に救急車と同時に出動します。
救急車が現地に到着してから重症と判断しドクターヘリを要請すると、現場にドクターヘリが到着する時間が余分にかかり、対応が遅れてしまいます。ドクターヘリの機動性と迅速性を最大限生かし、できるだけ多くの重症者を救うために、このような仕組みがとられています。

ドクターヘリ運航体制

運航時間

8:30~17:00(ただし、17時前に日没する場合は、日没まで)

運航範囲

原則、愛知県全域
他県からの応援要請・転院搬送にも対応しています

機種

運航開始時導入/Bell429
約1年後導入/BK117 D-3型(写真)
川崎重工業株式会社が欧州のエアバス・ヘリコプターズ社と国際共同開発した中型機。最新のD-3型は、5枚ローターによる低騒音・低振動と、安定したホバリング性能に加え、フルフラットフロアを備えたキャビンスペースが特長です。

 
 

着陸場

大学病院A棟屋上(13F)ヘリポートを使用。今後は地上ヘリポート・格納庫の整備も予定しています。
また、悪天候時(強風・視界不良時)にはフジタ総合グラウンドや近隣の臨時着陸場を使用する場合もあります。
  • ドクターヘリのヘリポート着陸風景 大学病院A棟ヘリポート

  • ドクターヘリのグラウンド着陸風景 フジタ総合グラウンド

運航管理

 中日本航空株式会社に委託
 中日本航空株式会社ウェブサイト

運航実績

ドクターヘリ出動実績と内訳です。

出動件数

年月 要請件数 出動件数1) 患者対応件数2)
2024年2月 26件 18件 17件
3月  17件 10件  9件 
総計  43件 28件 26件
(2024年4月2日時点)

1)出動件数
実際にドクターヘリが離陸した件数。
要請件数から、出動中や天候不良などで出動できなかった件数が除かれます。

2)患者接触件数
現場で患者を診療した実件数。出動後に軽症などの理由によるキャンセルを引いた件数を指します(出動件数-キャンセル件数)。