遺伝性腫瘍外来

遺伝性腫瘍症候群とは

生まれ持った遺伝子の特徴によって、特定のがんになりやすい体質になります。これを遺伝性腫瘍症候群といいます。

遺伝性腫瘍症候群とわかった場合、遺伝子の特徴に合わせたがんの早期発見・早期治療が可能となります。
原因となる遺伝子によって、なりやすいがんの種類や組み合わせは異なります。
遺伝子に特徴を持っているかどうかや、どの遺伝子に特徴があるのかは、遺伝学的検査で調べることができます。
 
遺伝性腫瘍の特徴がいくつか知られています。
様々なケースがあるので、全てではありませんが、以下の例に一つでも該当する方は一度、遺伝性腫瘍外来へご相談ください。
  • 自分、または血縁の家族が若年でがんになった
  • 家族にひとりで何度もがんに罹患した人がいる
  • 血縁の家族内に、特定のがん罹患した人が何人もいる

遺伝子とは

私たちの体は約30兆個の細胞からできています。細胞の中には、2万種類以上の遺伝子があり、遺伝子は体のしくみを保つための重要な役割を果たしています。

遺伝子の異常な変化、それが「がん」です

体の中にある細胞は、必要に応じて細胞分裂(コピー)を繰り返し、細胞の中にある遺伝子も一緒にコピーされます。遺伝子はミスコピーされてしまうこともあれば、喫煙・紫外線・感染などのさまざまな要因で傷ついてしまうこともあります。このような遺伝子の傷が積み重なることで、正常の細胞が「がん細胞」へと変化していきます。

がんを発症させる3要因

がんの発症にはさまざまな要因があり、大きく3種類に分けることができます。
  1. 遺伝要因:生まれ持った遺伝子の特徴
  2. 環境要因:喫煙、過度な飲酒、ウイルス・細菌感染、肥満、食生活など
  3. 年齢要因:一般的には加齢とともにがんを発症しやすくなる
どれか一つの要因だけでがんになるというわけではなく、複数の要因が関わると言われています。
遺伝要因や環境要因の影響の出方は、小さい人、大きい人がいたりと一人ひとり異なります。遺伝性腫瘍症候群では、遺伝要因の関与が特に大きいことがわかっています。

遺伝子の特徴が分かったら何が変わる?

がんの予防法が変わります。一般的ながん検診とは異なり、より丁寧できめ細やかな対応が必要です。具体的には検査の手段、間隔、開始年齢が大きく異なります。また遺伝子によってはがんになる前に手術をするリスク低減手術や、薬剤によってがんを予防する化学予防という方法もあります。適切な対策をとることで、がんの予防・早期発見が可能となり、より長生きできることがわかっています。がんを発症した場合には、遺伝性腫瘍症候群の人の方が効きやすい抗がん薬もあります。

遺伝カウンセリングのご案内

ご自身やご家族ががんになりやすい特徴を持っているのかどうか、遺伝子検査を受けた方がいいかどうか悩んでいる、今後の対策について知っておきたい、など気になることがあれば遺伝カウンセリングの受診を検討してみてください。

遺伝カウンセリングはどんなことをするの?

  • 詳細な家族歴を確認し、遺伝の可能性についての評価を行います
  • これまでの経緯の確認
来談時の想いや知りたいこと、気になっている・悩んでいることなどを教えてください
  • 疾患に関する情報提供
・遺伝性のがんのリスクと対策についての情報提供
・遺伝学的検査(遺伝子検査)の方法、検査でわかること、わからないことについて
  • 血縁者への影響についての相談

以上をふまえて遺伝学的検査をするかどうかを時間をかけて一緒に考えます。
また遺伝学的検査を受けた後も継続してサポートします。

お問い合わせ

かかりつけの医療機関がない方

下記の電話番号までご連絡ください。

藤田医科大学病院がんセンター
電話番号(直通):0562-93-9789