医科プレ・プロバイオティクス共同研究講座

藤田医科大学では、消化器を中心とした臨床研究の豊富な実績と、最新のマイクロバイオーム科学を融合させ、腸内環境とさまざまな疾患との関連性を多角的に探る「医科プレ・プロバイオティクス講座」を展開しています。

腸内細菌叢と疾患の包括的解析

当講座では、腸内細菌が影響を与える病態を消化器疾患に限らず、免疫、代謝、神経系を含む広範な領域にわたって臨床研究と連携しながら解析しています。腸内細菌叢の変化が疾患の発症・進行・予後に与える影響を科学的に解明し、診断・予防・治療への応用を目指します。

プレバイオティクス・プロバイオティクスの臨床応用と開発

当講座では、腸内細菌の状態を把握するだけではなく、独自に開発した強力なプレバイオティクスおよびプロバイオティクスを用いた腸内環境の改善にも取り組んでいます。これにより、疾患の予防や治療効果の向上、QOL(生活の質)の維持・改善を目指しています。

全身の常在細菌叢への視野拡大

腸内にとどまらず、皮膚、耳下腺、生殖器、血中といった全身に存在する常在細菌叢(マイクロバイオータ)へと研究対象を広げ、より包括的なホスト-マイクロバイオーム※関係の解明に挑んでいます。

※宿主(ホスト)と、体内に共存する微生物群(マイクロバイオーム)の関係

次世代診断技術の研究開発と社会実装

腸内環境のモニタリングにおいては、次世代腸内検査技術の研究開発も積極的に行っており、一部の検査手法は既に消化器がんの早期検出を目的として社会実装されています。今後はさらなる精度向上と多疾患への応用が期待されます。

医科プレ・プロバイオティクスコンソーシアムの形成

当講座の中心には、藤田医科大学を軸に産学連携を推進する「医科プレ・プロバイオティクスコンソーシアム」が存在します。この強力なプラットフォームを通じて、研究成果の迅速な社会実装と、持続的な製品・技術開発の両立が実現しています。