下部消化管(腫瘍)

消化器内科の下部消化管(腫瘍)について

当院消化器内科の下部消化管(腫瘍)グループでは、経験豊富な医師のもとほぼ全ての下部消化管疾患を幅広く診療しています。対応疾患は大腸ポリープ(腺腫、鋸歯状ポリープ、若年性ポリープなど)・大腸がん(早期がん・進行がん)• 大腸腫瘍(悪性リンパ腫、消化管間質腫瘍、神経内分泌腫瘍、粘膜下腫瘍など)• 大腸憩室疾患(憩室炎、憩室出血など)• 腸炎(感染性腸炎、虚血性大腸炎、放射線性腸炎、腸管ベーチェット病、直腸潰瘍など)• 機能性疾患(慢性便秘、慢性下痢、過敏性腸症候群など)であり、また、小腸疾患(小腸炎、小腸潰瘍、出血、腫瘍など)の診断・治療も行っています。 総合消化器外科とも緊密に連携しており、進行大腸がんによる腸閉塞に対して、減圧処置(コロレクタルチューブ)や内視鏡的ステント留置を行っています。

大腸ポリープ

大腸ポリープ(腺腫、鋸歯状ポリープ、若年性ポリープなど)に対しては、拡大内視鏡を用いた精密な診断を行った上で、適切な治療を選択しています。従来の通電を行うポリペクトミーやEMRも行っていますが、最近では良性の小さいポリープに対しては通電を行わないことで後出血、穿孔の可能性が低く安全性の高いとされているコールドポリペクトミー(CFP/CSP)も行っています。2024年度の大腸内視鏡検査数は3,348例、そのうちポリペクトミー・EMRは1,352例と多くの治療を行っています。

大腸がん

近年増加傾向にある大腸がんに関しては、当科では主に早期がんの診断・治療を行っています。拡大内視鏡を用いた専門医による精密診断を行い、適切な内視鏡治療を選択します。2cm未満であればEMR(内視鏡的大腸腫瘍粘膜切除術)を行い、2cm以上の病変であれば、ESD(内視鏡的大腸腫瘍粘膜下層剥離術)を行います。2024年度には大腸ESDを56例施行しています。また、進行がんに関しては、手術に向けた正確な診断、術前検査を行っています。また腸閉塞発症もしくは発症間際の症例に対し、2024年度にイレウス管・コロレクタールチューブ挿入を111例施行しました。さらに、手術適応外とされた進行がんに対しては、2024年度に大腸ステント40例を施行しました。

その他大腸腫瘍

悪性リンパ腫、消化管間質腫瘍、神経内分泌腫瘍、粘膜下腫瘍などに対して、内視鏡治療可能なものは、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)やESMR-L(EVLを用いた粘膜下層切除術)を行います。また、内視鏡治療適応外のものについては、血液・細胞療法科、臨床腫瘍科と連携し、治療にあたっています。

憩室・腸炎・小腸疾患など

近年増加している大腸憩室出血や虚血性大腸炎、急性出血性直腸潰瘍症など緊急を要する出血に対して2024年度は161例の緊急内視鏡を行いました。 また、腸炎(感染性腸炎)• 機能性疾患(慢性便秘、慢性下痢、過敏性腸症候群など)の治療も行っています。小腸疾患(小腸炎、小腸潰瘍、出血、腫瘍など)に対してはカプセル内視鏡、小腸内視鏡などを用いた診断・治療を行っています。