脊椎外科

脊椎外科設立の背景

脊椎・脊髄疾患を有しておられる患者さんは非常に多くいらっしゃるにも関わらず、一般的には、整形外科・脳神経外科等、患者さんが受診をされる際の窓口となる診療科が複数有るという問題点が有ります。一方、脊椎・脊髄疾患に対する治療は、高い専門性を要する場合も多く、また、診療科を横断した形の治療が必要な場合も少なくありません。この様な背景から当院では、脊椎外科(脊椎・脊髄科)を設立し、様々な脊椎・脊髄疾患に対する専門性の高い治療を行っています。

スタッフ紹介

教授
  • 金子 慎二郎
准教授
  • 井上 辰志
助教
  • 武田 太樹
 客員 准教授
  • 安倍 雄一郎
非常勤 講師
  • 高橋 洋平
客員講師
  • 笹治 達郎
  • Amir Fariz Zakaria

教授紹介

  • 金子 慎二郎

    教授

    Shinjiro Kaneko

    金子 慎二郎

    専門・実績

     
    脊椎疾患の中でも、側弯や後弯等の脊柱変形に対する治療を特に専門としています。手術の技術や道具の進歩等に伴って、以前は歳だから仕方がないと言われていた高齢者の高度脊柱変形(いわゆる腰曲がり)や小児期の高度脊柱変形に対しても、条件が整えば、矯正を主目的とした手術を行う事が可能な時代になってきています。年間約1000件の脊椎手術を行っている脊椎疾患治療に特化した国のセンターである独立行政法人国立病院機構村山医療センターに約12年間、勤務し、様々な脊椎疾患に対する治療を行ってきました。脊椎疾患に関する事、何でも御相談下さい。


    略歴

    1998年慶應義塾大学整形外科入局。以降、慶應義塾大学病院や、慶應義塾大学整形外科の関連病院に勤務。2001年慶應義塾大学大学院外科系整形外科学入学(同大学院で医学博士号取得)。2004年4月〜2007年9月、米国Harvard大学医学部に留学(同大学附属病院のBoston Children’s Hospitalに勤務)。2007年10月から独立行政法人国立病院機構村山医療センター(年間約1000件の脊椎手術を行っている脊椎疾患治療に特化した国のセンター)に約12年間勤務(2009年〜同センター整形外科医長、2018年〜同センター脊椎脊髄センター長兼整形外科医長)。2019年7月より現職。

    日本脊椎前方側方進入手術学会執行幹事兼事務局長(第4回学術集会会長)、日本成人脊柱変形学会幹事、日本脊椎インストゥルメンテーション学会評議員

    アピールポイント

    脊柱変形は、大別すると、小児期から認められる場合と、高齢になってから認められる場合と2つのタイプがあります。高齢になってから脊柱変形が進行してくる場合は、通常、腰椎の骨と骨の間にある椎間板というクッションの様な役割を果たす部分が徐々に痛んでくる事(変性)が関係しています。脊椎は本来、横から見た骨の並びはまっすぐではなく、腰の部分(腰椎)が前に弯曲し(前弯)、背中の部分(胸椎)が後ろに弯曲し(後弯)、首の部分(頚椎)が前に弯曲している(前弯)事でバランスを保っています。

    骨の並びの事をアラインメントと呼びますが、高齢の方の場合、椎間板の変性の進行とともに横から見た脊椎のアラインメントにも異常が出てくる場合があり、腰が後ろに曲がる腰椎の後弯が認められる事があります。腰椎が後弯になると、体が前に傾く傾向が認められます。体には重心の軸(線)があり、通常は耳の辺りからまっすぐに下に降ろした線を重心の線と考えますが、本来は、この重心の線が骨盤の上に来ないと人間は立つ際に十分にバランスを取れなくなります。

    腰椎のアラインメントが後弯になると、体が前傾して体幹の重心線がより前方にずれることになる為、本来、重心線が通過する骨盤に重心線を近付ける為に、骨盤を後ろに傾けないとバランスを取って立っていられなくなる為、腰から骨盤にかけての筋肉に無理な力がかかって、これが腰から骨盤辺りにかけての痛みに繋がります。

    手術の道具や技術が進歩する前は、昔から「腰曲がり」と呼ばれてきたこの様な病態を持った患者さんは、病院に受診しても、「歳だから仕方ない」の一言で済まされる傾向にありましたが、現在は、手術の道具や技術が進歩し、様々な条件を満たせば、脊椎の変形矯正の手術を行い、愁訴の改善に繋げる事が可能になっています。

    脊椎の変形矯正の手術が、痛みの改善に限らず、「腰曲がり」の外見の改善、時には内臓の問題の解決にも繋がり、生活の質の大きな改善に結び付く事も少なくありません。脊柱変形に対する矯正を主目的とした手術は、様々な観点からの高い専門性を要する手術であり、また、手術を行う際には、体への負担を少なくし、合併症の頻度を少なくする為の様々な工夫を行う事が重要です。我々、専門家に何でも御相談下さい。