1.用語の定義
1.医療事故
医療事故とは、医療者の医療行為や医療施設の設備、システムに原因を発したすべての人身事故一切を言い、医療者・管理者の過失に基づくものだけでなく、合併症や偶発症、不可抗力による場合も含む。また、患者だけでなく、医療従事者に被害が生じた場合も含まれる。このうち医療従事者の過失のために患者に被害が生じたものを医療過誤という。
2.インシデント
インシデントとは、患者影響度レベル0から5とクレームを含めたものをいう。
３.ニアミス
エラーや医薬品・医療用具の不具合が見られたが、患者には実施されなかった患者影響度レベル０をニアミスとする。
４.有害事象
患者影響度レベル３bから５を有害事象とする。
５.クレーム
医療事故とは異なるもので、医療従事者に過誤・過失がないにも関わらず、患者から苦情が発生した場合を指す。
６.合併症
医療行為に際して二次的に発生し、患者に影響を及ぼす事象をいう。
なお、合併症には予期できるものと、予期できないものとがある。
2.インシデントの分類
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分 類 |
レベル |
患者影響度レベル |
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イ |
ニアミス |
レベル０ |
エラーや医薬品・医療用具の不具合が見られたが、患者には実施されなかった場合 |
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レベル１ |
エラーや医薬品・医療用具の不具合があり、患者に実施されたが、影響がなかった場合 |
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レベル２ |
患者のバイタルサインに変化が生じたり、検査の必要性が生じた場合 |
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レベル3a |
軽微な治療や処置（消毒、湿布、鎮痛剤投与など）が必要となった場合 |
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有害事象 |
レベル3ｂ |
濃厚な治療や処置（予定外の処置や治療、入院、入院期間延長など）が必要となった場合 |
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レベル４ |
永続的な後遺症が残る場合 |
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レベル５ |
死亡した場合（原疾患の自然経過によるものを除く） |
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クレーム |
医療事故とは異なるもので、医療従事者に過誤・過失がないにも関わらず、患者から苦情が発生した場合 |
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