医療機関の方へ(乳腺外科)

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当科では、乳がんの診断、手術、薬物療法のほか、乳腺良性腫瘍、乳腺炎、乳輪下膿瘍など良性疾患の治療にあたっています。とくに乳房温存手術では、国内トップレベルの治療を提供しています。
乳房温存手術は、乳がんに対する標準治療として国内でも実施されています。がん周囲の組織を切除し、乳房の皮膚、乳頭乳輪、大部分の乳腺組織が残る、文字どおり乳房を温存することが可能な手術方法です。しかし、手術後に乳房が変形してしまうことや、対側の乳房とのサイズ・形・大きさの差が生じてしまうことが問題となっていました。一方欧米では、1990年代に乳房温存手術時に左右差のない乳房を提供する手術手技の研究が開始されました。もともと乳房の大きな欧米人女性に対して実施して乳房縮小手術の手技を、乳がんの手術時に応用しようとするものです。がんの外科治療に形成外科的要素を取り入れた「オンコプラスティックサージャリー」と呼ばれています。
私たちは、2004年よりこのオンコプラスティックサージャリーの研究に着手し、現在までに、日本人女性に対するオーダーメードの乳がん手術の研究を続けてきました。その結果、欧米人に実施されているオンコプラスティックサージャリーも日本人に応用可能であること、がん遺残のない適切な手術を行いながらも左右対称性に優れた結果をもたらす有用な手技であることがわかりました。また、スリムな患者さんに対する乳房温存手術では「日本人女性に適した手術」があることがわかり、実臨床へ応用しています。
当院では、臨床研究の一部として上記手術を実施し、整容性と根治性を両立させた乳房温存療法を提供しています。乳がんと診断された女性が、がんの取り残しや乳房の変形・左右差に悩まないような治療を提供いたします。

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