植込み型補助人工心臓HeartMate3(ハートメイト・スリー)
2021年11月18日、当院第1例目の植込み型補助人工心臓HeartMate3手術を施行しました。
無事手術を乗り切り、11月25日にはICUからCCUに移動し、12月8日には一般病棟へ移動し、リハビリテーションと機器取り扱いの学習を行っています。植込み型VAD※治療を行うためには、手術室・集中治療室・一般病棟を含め適切な設備と、十分な医療スタッフ(医師・看護師・臨床工学技士・薬剤師・リハビリテーション技士を含め)で対応できる体制が必要です。
藤田医科大学病院では、循環器内科と心臓血管外科を中心となって、体外式VADの治療をこれまで5名以上の患者さんに適用し、良好な治療効果を得たことより、2020年に補助人工心臓治療関連学会協議会により植込み型VAD 実施施設に認定され、植込み型VADの治療が可能となっていました。実施施設は全国45施設ですが、東海三県では当院が4施設目です。
※VAD(Ventricular Assist Device)補助人工心臓
国内での心臓移植は、ドナーが見つかり手術を受けるまで平均3年以上かかるため、重症な末期心不全の患者さんは、植込み型VADを装着して、月1回の通院を含め自宅で生活をしながら待機することになります。
最新型の「HeartMate3」は、ポンプ内の構造が改良され、血栓が血管をふさぐ「塞栓[そくせん]症」が起きにくくなっています。ポンプ部分の重量は約200グラムと従来型より約80グラム軽く、体内に植込みことが容易になっています。。
なお、これまで心臓移植待機の患者さんのみが対象であったHeartMate3ですが、心臓移植の適応とならない重症心不全患者さんに対する、生命予後を改善し在宅管理もふまえた QOL(Quality of life)の向上を目的とした治療(Destination Therapy/DT)が、2020年12月に適応追加承認となりました。
重症な末期心不全、体外式VAD治療、植込み型VAD治療についてご興味のある患者さんは、かかりつけの主治医より藤田医科大学病院循環器内科または心臓血管外科までご連絡くださいますようお願いいたします。
連絡先:医療連携福祉相談部 地域連携室
0562-93-2995
当科が行っている研究会
- 弁膜症の診断と治療(年2回)
- 東海胸部人工臓器カンファレンス (年1回)
- Heart Forum in Chita(年1回)
- CV Surgeryカンファレンス(年1~2回)
- 東海大血管セミナー(本年より年1回予定)