呼吸器外科

病棟の場所 A棟10N病棟 外来の場所 B棟1階 外科外来 14診療室
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診療内容

主な対象疾患

原発性肺がん、胸腺腫などの縦隔腫瘍、転移性肺腫瘍、気胸、肺嚢胞、胸壁腫瘍、胸部外傷、気管腫瘍、悪性胸膜中皮腫、膿胸、肺アスペルギルス症、肺非定型抗酸菌症のうち外科治療を要するもの、肺移植適応疾患(特発性間質性肺炎、その他の間質性肺炎、若年者肺気腫、肺高血圧症、肺リンパ脈管筋腫症、気管支拡張症など)

目標・基本理念・基本方針

目  標

安全・確実で、できるだけ体に負担の少ない手術を行い、苦痛の少ない入院生活と早期退院、短期・長期治療成績の向上を目指します。
 

基本理念

適切なリスク評価に基づき、患者さんとご家族の希望に沿う安全・確実な呼吸器外科診療をチームで提供します。
 

基本方針

  1. 患者さんとご家族の思い・お考えを大切にし、ご病状をよく理解した上で治療法を選択していただけるように、十分な説明を行います。
  2. 術前の十分なリスク評価、周術期を通しての疼痛を含むあらゆる苦痛緩和、口腔ケア、栄養管理、リハビリテーション介入、併存疾患コントロールにより、術後併発症のリスク低減と早期離床をはかります。
  3. 丁寧で安全な手術を行い、早期退院できるよう努めます。
  4. 地域の先生方との連携を密にしてきめ細やかな診療を行います。
  5. チームの構成員と外来・病棟・手術室・ICU・HCU・検査部・放射線部・リハビリテーション部・薬剤部など連携する多職種の職員を大切にし、その健康、幸福、やりがい、成長を重視して日々の業務に取り組みます。
  6. 良医を育てるために臨床に即した医学教育を行います。
  7. 治療成績向上のための研究を行い、学会発表や学術誌への投稿により広く発信します。

診療科の特色

2020年12月当院は中部地方初の肺移植実施施設に認定され、2025年3月までに4例の脳死肺移植を無事施行しました。特発性間質性肺炎やその他の間質性肺炎、若年性肺気腫、肺高血圧症などの進行した難治性肺疾患に対する肺移植診療に丁寧に取り組んでまいります。また、当科は肺がんや縦隔腫瘍に対する低侵襲手術(胸腔鏡手術、ロボット支援手術)に取り組んできました。2016年からは術前リスク評価の向上に取り組み、術前からの口腔ケア介入、栄養評価/管理、リハビリテーション、頻回の疼痛評価/コントロールにより、術後併発症のリスク低減と早期離床、早期退院に努めてまいりました。2018年4月に肺がん(肺葉切除)や縦隔腫瘍に対するロボット支援手術が、さらに2020年4月には小型肺がんに対する区域切除、重症筋無力症に対する拡大胸腺摘出術もロボット支援手術が保険適応となり、より提供しやすくなりました。2023年には、da Vinci SP(みぞおちの1つの小さな創からカメラと3本の手術用ロボット鉗子を体内に挿入し手術を行う新しい手術支援ロボット)を用いた縦隔腫瘍手術を日本で初めて開始し、2024年には肋骨の下の1つの小さな創から胸にアプローチする肺がん手術にも適応を拡大しました。これらの手術は、従来の手術と比較し、操作性が劣らず、慢性期の痛みが極めて軽微です。胸腔鏡やロボットを用いた低侵襲呼吸器外科手術をさらに発展させ、緻密なリスク評価、丁寧な周術期管理により、超高齢者や併存疾患を持つ方にも優しい呼吸器外科診療を継続して提供いたします。気胸・外傷などの緊急例は夜間休日を問わず診察いたします。膿胸や縦隔炎、非結核性抗酸菌症、肺アスペルギルス症などの難治性胸部感染症の治療も積極的に行っています。

得意とする治療・高度な医療・特徴的な医療

  • 肺がんに対する胸腔鏡手術、ロボット支援手術(高性能の手術支援ロボットda Vinci Xiによる手術に加え、新しい手術支援ロボットda Vinci SPによる、肋骨弓下の1つの創からの手術)
  • 縦隔腫瘍・重症筋無力症に対するロボット支援手術(特に新しい手術支援ロボット da Vinci SPによる、みぞおちの1つの創からの手術)
  • 肺がんに対する縮小手術(区域切除、楔状切除)
  • 肺がんに対する拡大手術(胸壁合併切除、気管・気管支形成除など)
  • 肺移植(片肺移植および両肺移植)

診療実績(2024年1月~2024年12月)

項目 件数
(うちロボット支援手術数)
原発性肺癌 164(39)
縦隔腫瘍 31(24)
気胸 47
肺良性腫瘍 23
転移性肺腫瘍 20
膿胸 6
縦隔ドレナージ 3
胸壁腫瘍 2
開窓術 2
血腫除去 2
肺瘻閉鎖術 2
胸膜悪性中皮腫 1
肺ムコール症 1
横隔膜ヘルニア閉鎖術 1
開窓部VAC療法 1
胸腔ドレーン迷入肺修復術 1
先天性肺気道奇形 1
肺動静脈奇形 1
右中葉捻転肺切除 1
気管支ステント留置 1
全身麻酔下胸腔ドレーン留置 1
   
※肺移植(両肺1例、片肺1例) 2
2024年総手術症例数 321