お知らせ

血管外科の開設について

2023年7月 藤田医科大学病院 血管外科を開設いたしました

血管外科では、近年の大動脈・血管外科疾患治療の多様化や血管外科領域デバイスの進化に対応すべく、日本でも数少ない血管外科単独診療科として開設されました。当科の特色として、従来から用いられているステントグラフト治療や外科手術に加えて、海外の施設との連携による最新の大動脈ステントグラフト手術や分枝ステントグラフト手術、末梢動脈疾患に対する最新のカテーテル治療、ハイブリッド治療などを積極的に取り入れています。
従来の開胸・開腹手術(人工血管置換術)のみならず、低侵襲治療であるステントグラフト治療、最新の分枝ステントグラフト治療などを行うことにより、患者さんの早期の退院・社会復帰を目指します。また閉塞動脈病変に対しては、無侵襲診断から局所麻酔下でのカテーテル血管内治療(ステント留置等)を行い、早期に下肢血流を改善させることを目指しています。進行病変には外科的バイパス術が必要となりますが、当科では末梢動脈・足部への遠位バイパス術も積極的に施行しています。他にも下肢静脈瘤のレーザー治療や透析シャント手術、血管外傷、内臓動脈瘤や腸管虚血など特殊な疾患に対しても、他科とも協力しながら治療にあたります。

責任者ごあいさつ

教授 山之内 大

米国ウィスコンシン大学血管外科学講座にて10年以上にわたり指導医として、世界最先端の血管外科手術を行ってきました。これまでに大動脈瘤外科手術、大動脈ステントグラフト手術、頸動脈狭窄外科手術、頸動脈ステント、末梢動脈バイパス手術、カテーテル治療など多くの手術を執刀して参りました。また米国での最新のステントグラフト臨床治験などに携わり、多くの最新デバイスの開発、動脈疾患の基礎研究などにも取り組んで参りました。2023年7月より藤田医科大学血管外科学講座を開設にあたり、当科主任教授として赴任することとなりました。日本は世界屈指の長寿国となり健康寿命を伸ばすことが目標とされています。しかし生活習慣病による動脈硬化性疾患や糖尿病による透析患者は増加し、必ずしも健康寿命が伸びているわけではありません。これらの病気は、いずれ血管の病気に直結してしまいます。足の血流が低下し、壊死してしまう患者さんは少なくありません。がんや心臓発作と聞くと危機感を持ちますが、動脈瘤や動脈硬化と聞いても危機感を持つ方は少ないのではないでしょうか。我々は、これらの血管疾患に対して全人的なチーム医療で臨み、全力で治療に向き合っています。当科の特色として、海外の最新のステントグラフト手術や分枝ステントグラフト手術、末梢動脈疾患に対する最新のカテーテル治療、遠位バイパス、ハイブリッド治療など先進的な医療技術も取り込みながら、患者さんにとって最も有効かつ負担の少ない治療を目指しています。もちろん、動脈硬化以外にも、あらゆる血管疾患に対応しています。血管疾患でお悩みがあれば何なりとご相談ください。

略歴

2000年       群馬大学医学部卒業 医師免許取得
2006年       博士号取得
2007年       コーネル大学血管外科リサーチフェロー
2008年〜2009年 ウィスコンシン大学血管外科客員研究員
2009年〜2010年 ウィスコンシン大学血管外科Visiting Assistant Professor
2010年〜2016年 ウィスコンシン大学血管外科Assistant Professor
2016年〜現在    ウィスコンシン大学血管外科Associate Professor
2023年〜現在    藤田医科大学血管外科学講座 主任教授