お知らせ

「足の血管センター」開設について

藤田医科大学病院は8月7日に、動脈硬化による末梢動脈疾患、糖尿病性足壊疽など足の難治性潰瘍・壊疽を引き起こす疾患を診療科横断的に治療する東海初の「足の血管センター」を開設しました。

足の心筋梗塞といわれる重症虚血肢(足の痛み、足の潰瘍・壊疽)を治療

重症虚血肢(じゅうしょうきょけつし)とは、重度の動脈硬化により足への血流が低下し、足の痛みで夜も眠れなくなったり、足の傷が治らずに広がっていったり、進行していくと足趾が黒く壊死していく病気です。長年喫煙されている方、糖尿病を持病とされる方や、透析をされている方、心臓の病気などがある方で発症しやすく、放置すると下肢切断になる可能性が高く、感染を伴った場合には生命の危険もあるため、早期に適切な治療を受ける必要があります。
足の血管センターは、こららの末梢血管疾患に対して専門チームによる集学的治療を行って患者さんの下肢を温存し、制限の少ない日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。具体的には、薬物療法・運動療法・カテーテル治療・バイパス手術・フットケアなどを組み合わせ、それぞれの患者さんに最適な治療を提供いたします。

センターの特徴

 血管外科、循環器内科、内分泌・代謝・糖尿病内科、皮膚科、形成外科、整形外科、リハビリテーション科、放射線科など高度な専門性をもつ診療科と臨床検査部、リハビリテーション部、放射線部などの部門が協力して診療にあたり、それぞれの患者さんの病状に応じた最適な治療を提供いたします。足のしびれ、ふくらはぎの痛み、足趾の傷がなおらないなどの症状がある方はお気軽に当センター外来を受診してください。

主な対象疾患

  • 末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症・バージャー病)にともなう下肢間欠性跛行・下肢安静時痛・足趾難治性潰瘍など
  • 血管炎などの希少で専門的治療が必要な末梢血管疾患

責任者ごあいさつ

センター長 井澤 英夫

当センターでは足の動脈や静脈の血流が悪くなることで起きる病気を専門的に治療します。透析している患者さんや糖尿病の患者さん、高血圧などがあり動脈硬化のある患者さんなどで、特に足の動脈は血流が悪くなってきます。足の動脈の血流が悪くなると、歩いた時に太ももやふくらはぎが痛くなったりしびれたりして、しばらく休むと治るのが特徴的な症状です。また、進行してくると足にできた傷がいつまでも治らなくなり足を切断しなくてはならなくなったりもします。一方、足の静脈の血流が悪くなる病気の代表例が下肢静脈瘤です。下肢静脈瘤になると足が腫れて痛かったり黒ずんだりして、傷ができると治りにくくなります。このような足の動脈や静脈の血流が悪くなる病気は、早期に発見して血流を回復し、また、傷があれば適切に管理することが大切です。当センターでは足の血流を回復し、また、傷の管理に精通したいくつもの診療科の医師や看護師、理学療法士、管理栄養士などのスタッフが勤務しています。患者さんが元気に歩いて生活できることを目標に、センターのスタッフが協力して足の治療やケア、再発予防のための生活アドバイスを行います。

副センター長 山之内 大

足の血管センター副センター長を拝命いたしました血管外科の山之内と申します。2023年7月より藤田医科大学に血管外科教授を拝命し血管外科疾患の治療・手術を行っております。特に我々血管外科学教室は日本でも稀な血管外科単独講座であり、高難度のカテーテル治療、下腿や足へのバイパス(遠位バイパス)、それらを組み合わせたハイブリッド手術などを駆使し、下肢の血行障害の治療に当たります。当センターでは血管外科、循環器内科、内分泌・代謝・糖尿病内科、皮膚科、形成外科、整形外科、リハビリテーション科、放射線科が合同で治療に当たることで、より多くの患者様に最適な治療を提供してまいります。下肢の痛み、難治性潰瘍、その他、下肢虚血に関わるご相談、ご質問等ありましたらご遠慮なく当センターの外来を受診していただければと思います。よろしくお願いいたします。