炎症性腸疾患(IBD)センター

病棟の場所 A棟5・6階消化器センター内/B棟8階小児科病棟内 外来の場所 A棟2階 炎症性腸疾患(IBD)センター
Webサイト 消化器内科Webサイト

主な対象疾患

潰瘍性大腸炎、クローン病

センター紹介

炎症性腸疾患(Inflammatory bowel disease:IBD)は「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」に代表される慢性腸炎を来す疾患の総称です。IBDは下痢や腹痛など胃腸の症状のみならず口内炎、関節痛、皮膚障害など全身に影響を及ぼします。長期的には病状が悪い時期(再燃期)と落ち着いている時期(寛解期)を繰り返すのが特徴です。近年、国内外の先進国を中心に患者数は急速に増加していますがIBDの原因はわかっておらず、このため完治する治療がないため国の難病指定を受けています。現在は様々な有効な治療法が開発されて治療が奏功すれば日常生活に支障はありません。愛知県内では1万人以上の患者数となっており、今後もこの増加が予想されています。藤田医科大学病院ではこれまでもこの難病に立ち向かい多くの患者さんの診断と治療を行ってきましたが、新たに消化器内科、総合消化器外科、小児科、小児外科、救急総合内科の医師が連携し、炎症性腸疾患(IBD)センターを開設しました。多くの診療科、看護師、栄養士、薬剤師等の多職種と連携し患者さんに合った安心・安全で高度な医療を提供します。また腸内細菌叢などを用いた当院オリジナルな研究を基に新規の治療開発にも挑戦しています。

センターの特徴

当院ではこれまでも地域連携を図りながらIBD治療に取り組んできましたが、IBD患者数の増加に対応するため、センター化で多診療科、多職種が連携することで多角的視点を兼ね備えた診療を実現するため「プレシジョン・メディスン(精密医療)」の発想をベースに、標準医療(平均値医療)から個別化医療(精密医療)を実現します。消化器内科と放射線科が連携し内視鏡(大腸内視鏡、小腸内視鏡、カプセル内視鏡)、CT、MRI等最新の設備を備えた画像診断を実施し、化学療法科と連携した外来薬物療法センターを利用した生物学的製剤治療、腎臓内科と連携した透析センターを利用した血球成分除去療法など最新の設備で専門の職種による安全性を第1に目指した治療を行っています。また次々に開発される最新の分子標的薬を用いた薬物治療や治験薬も取り入れ、常に全国で最先端の治療を提供します。更にはプレ・プロバイオティクス講座と連携して腸内細菌などを用いた当院独自の研究をもとに安全かつ有効な当院オリジナルの治療サプリメント、治療法などの開発を進めています。

診療体制

当センターは、消化器内科、総合消化器外科、小児科、小児外科、救急総合内科が連携することで外科的治療(手術)が必要な患者さん、あるいは小児の患者さん、病態が急変し緊急性を要する患者さんなどあらゆる状況においても対応可能になっております。また、月曜~土曜日までの専門外来での診療体制を確立することで、患者さんのライフスタイルに合わせた受診を可能にします。

高度な医療

IBDの診断に欠かせない最先端の内視鏡(大腸内視鏡、小腸内視鏡、カプセル内視鏡)、CT、MRI等を用いた画像診断。バリウムを用いた小腸造影検査。約40分で判定出来る新たな血清バイオマーカーであるLRGや即日判定出来る血中薬物濃度の測定。TNF阻害剤などの各種生物学的製剤治療、JAK阻害など最新の分子標的薬標的薬治療、血球成分除去療法、クローン病狭窄に対する内視鏡的バルーン拡張や負担の少ないロボット手術、術後再狭窄の少ないKonoS式吻合。難治性痔瘻に対するヒト体性幹細胞加工製品(ダルバドストロセル)や短腸症候群の組換えヒトGLP-2アナログ(テデュグルチド)治療などを取り入れています。