看護部

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部門内容

部門紹介

看護部は病院組織の中で最も大きな組織ですが、一人ひとりの看護に対する思いを大切に、働きやすい職場づくりを目指して取り組みを進めてきました。看護部方針である「人に優しく、患者さん中心の看護を実践します」に基づき、看護部職員一人ひとりが質の高い医療にふさわしい看護が提供できる職場環境づくりを目指しています。
 

看護部方針

人に優しく 患者さん中心の看護を実践します

専門的知識、確かな判断・技術に基づいた安全・安心な看護を実践します
患者さんの権利を尊重し、心に寄り添った看護を実践します
ホスピタリティを大切にし、快適な療養環境を提供します

2022年度業務実績

採用状況と職員構成比

第1教育病院の使命の一つに、2020年度岡崎医療センター開院時に質の高い看護提供を行うために適切な人員配置を行う必要がありました。岡崎医療センターへ配置換えをした補填分と第1教育病院の新採用者をふまえ、採用をすすめてきた結果、2020年度新採用者329名を迎え人員確保という大きな目標を達成した一方、看護師の経験年数別構成比は大きく変化することとなりました。この事態を予測し、2019年度より計画的に業務整理と教育体制整備に取り組みました。2021年度は200名、2022年度は199名の新採用者を迎え、併せて離職防止に取り組むことで、11年目以上の看護師は「27.0%(2021年度)→33%(2022年度)」と変化し、より高い実践力をもつ看護師の増加に努めてきました。

離職防止対策

 ①職場環境改善
  ・有給休暇取得と超過勤務状況の可視化
  ・勤務間インターバル確保のための労務管理の徹底と柔軟な勤務体制
  ・離職防止活動推進のためのプロジェクトチームによる現状調査

②多職種とのタスクシェア
   看護部 :学生アルバイトの積極的な採用と業務委譲
       メッセンジャー業務に専念する担当者配置による書類や薬剤の定期配達と回収
   薬剤部:救急及び集中治療部門への薬剤師常時配置による点滴薬の調剤
               入院患者の内服歴聴取、退院患者への処方の説明
             未使用の薬剤処理入力や退院処方の一部入力
 事務部:外来における医師事務者の配置(入力業務のタスクシフト)
     外来患者の電話対応の削減(交換台・予約変更センター職員による対応フローの導入)
 検査部:救急及び集中治療部門への臨床検査技師の配置、検体採取と機器操作

人材育成

特定行為区分研修修了者の育成

 2025年人口構成の大きな変化と医療提供体制の将来を見据え、特定行為に関わる研修修了者の育成は喫緊の課題です。「治療」と「療養」の両面から患者を捉え、身体と心の状態の変化を予測しながら必要なケアを提供し、チーム医療の中心的な役割を果たせる特定看護師の育成を目的に、看護部では2019年度新たに特定区分研修を開講しました。e-ラーニング、集合教育、OSCE、臨床実習を経て特定行為研修を修了した看護師は、2020年度より特定看護師として活動を開始しました。2020年度は新たに術中麻酔管理モデルを開講し、あらゆる分野で活躍できる人材育成を行いました。2022年度研修修了者を含め38名が現場で活躍し、全12区分(一人あたり2~12区分)に対応しています。
高度な看護実践を担う看護師の育成を計画的に進めるために、2020年度より修学にかかる資金支援、雇用を継続したままで学習に専念できる環境を整えるなど、研修受講に係る支援強化に努めてきました。育成した特定看護師の活躍が看護の質向上に繋がる活動を展開するとともに、医師の業務負担軽減としてタスクシフト可能な業務を担うことができるように横断的に活動できる体制整備に取り組んでいます。
喫緊の重要課題である特定行為を実施できる看護師の育成を急務として、藤田医科大学病院看護部が開催する特定行為区分別研修のカリキュラム編成を行い、看護職としての社会的責任と役割を自覚し、新たな臨床看護の発展に寄与できる看護師育成を目指します。
 

【特定区分研修修了者 2019年度~】

対応可能な特定区分

区分モデル 人数
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 18
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 18
呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 10
動脈血液ガス分析関連 18
栄養および水分管理に係る薬剤投与関連 24
栄養に係るカテーテル管理 9
感染に係る薬剤投与関連 7
血糖コントロールに係る薬剤投与関連 5
胸腔および腹腔ドレーン関連 9
術後疼痛管理関連 14
循環動態に係る薬剤投与関連 14
創傷管理関連 7

研修のべ修了者38名(全12区分対応)

認定看護管理者、専門・認定看護師の育成

認定看護管理者:3名
専門看護師:3名 
分野 人数
急性・重症患者看護 2
慢性疾患看護 1
認定看護師: 36名
分野 人数 分野 人数
摂食・嚥下障害看護 5 透析看護 1
感染管理 2 がん化学療法看護 2
脳卒中リハビリテーション看護 3 がん放射線療法看護 1
皮膚・排泄ケア 2 緩和ケア 2
新生児集中ケア 2 認知症看護 3
小児救急看護 2 慢性心不全看護 1
救急看護 2 乳がん看護 1
手術看護 1 糖尿病看護 1
集中ケア 4 精神科認定看護師 1

業務関係

目標患者数達成向けた病棟管理

看護部が担う役割である病床管理は、入院患者の受け入れをスムーズに進め、退院情報を的確に把握することでベッドを効率よく稼働させる業務であり、病院経営に直結する重要な業務の一つです。2020年度のCOVID-19による影響によって目標未達成となった結果をふまえ、予測と実績を細やかに分析し、緻密なベッドコントロールに努めてきました。2022年度目標「延べ入院患者数1,325名(2021年度目標1,314名)」に対して、1,331名と目標を上回る結果となりました。 

医療従事者として相応しい接遇の実践

患者サービスの質向上として、「藤田ならではの接遇」を実践することを目的に、学園一丸となりより良い接遇の実践に努めてきました。最も患者の生活に近い看護部職員の接遇は、マナーのレベルだけではなく、確かな医療を提供するための関係性構築に不可欠なスキルといわれています。医療従事者として知識や技術を身につけることはもちろん大切ですが、接遇力を高め、患者さんやその家族、同じ職場で働く同僚や多職種とのコミュニケーションを円滑にすることは、チーム力を高め患者満足度を向上させる要因です。
COVID-19により制限していた外来受診患者にむけた病院玄関での挨拶運動を再開し、病院を訪れた時から始まる「目配り・気配り・心配り」に取り組みました。また、患者を中心に考えた行動がとれる職員の育成として職員間の関係構築が重要と考え、多職種を交えた合同挨拶運動など、あらゆるアプローチを通して積極的に「藤田ならではの接遇」を実践しました。

社会・地域貢献活動

地域医療連携推進法人尾三会を通した活動 

2017年4月地域医療連携推進法人制度の施行に伴い、大学病院がリードして設立した全国最大規模の地域医療連携推進法人「尾三会」が設立されました。2022年度は尾三会参加32施設の看護管理者を中心とした主体的な活動に取り組んできました。同時に日本看護協会より「看護の継続と質向上に向けた実証事業」への参加依頼を受け、大規模な連携強化を推進しました。
関連施設へ転院する患者に大学病院の看護師が同行して転院先の看護師と直接看護実践を共有し、オンラインでカンファレンスを開催しました。これまでは「顔の見えない」情報提供書による継続看護でしたが、「顔の見える」関係を築き上げることでより充実した継続看護になる体制を構築しました。さらに、共通する看護情報提供書の作成し、同じ視点で患者や看護実践に関する情報を、地域全体で共有する取り組みも行いました。マクロな活動としてシステマティックな情報共有を目指し、双方の空床情報や転院受け入れのための要件を可視化し、スムーズな転院調整にむけて活動を進めてきました。2022年度は6回の看護管理者会議を開催し、地域の様々な看護に関する問題解決に取り組みました。今後も、尾三会を通した活動を推進し、地域貢献に努めていきます。
 

がん看護セミナー

がん拠点病院の使命として地域におけるがん看護の質向上への貢献として、毎年、がん看護セミナーを開催しています。毎年、がんに関連する認定看護師(がん薬物療法看護認定看護師、緩和ケア認定看護師、乳がん看護認定看護師、放射線看護認定看護師)を講師として開催していますが、今年度は趣向を変え、リンパ浮腫に対する研究で著名な藤田医科大学社会実装看護創成研究センターの教員を招聘しました。近隣の看護職にとどまらず、県外からの参加を含め100名を超える方々が参加し、大規模に研修を開催することができました。がん診療連携拠点病院(高度型)としての役割を果たし、地域のがん医療水準の均てん化に貢献しています。